前回からの続きです♪
今回も『アイヌの響き』が始まるまでの
サイドストーリーpart2 という感じでしょうか。。。
(早く作家さんの経歴教えてよ~って?しばしお待ちを 😁)
タイトルについてと
そもそも企画を思い立つずっと以前のわたしの思いも
もう少々・・・語らせてください(また長くなるかな。。。😅)
今年の夏に山北ユカコさんと一緒に結城幸司さんにお会いしに行った際
タイトルとかテーマについて結城さんに尋ねられました。
わたしの中では 「アイヌの声」という言葉が降りてきていたので
それを伝えると 間髪入れず
「声ではなく『響き』がいいですね。」とおっしゃった結城さん。
聞いていた私の中でも結城さんが意図するものが感じられ
即 「そのタイトルで行きましょう!」となりました。
実はこの『響き』という言葉。
結城さんから頂いた途端
わたしの中で 随分前から思っていたことに対して
ものすごく腑に落ちるものがありました。
私はこれまで アイヌ文化に触れるたび
素晴らしいと感銘を受けながらも
ただただ憧れを持って眺めるだけで
きちんとアイヌの人々の歴史や過去を学んだりもしていない
理解できてもいない自分には
中途半端にアイヌ文化に触れたり味わうことは
どこか失礼に当たる気がして。。。
それに加えて 和人である自分たちの先祖とアイヌ民族の歴史を知るにつけ
アイヌの人たちへ 少し後ろめたいような気持ちを持っておりました。
それは 蝶が吸いたい花の蜜があるのに
いつまでもその花の周りをひらひらと飛んでいるかのような感じでした。
憧れているのに 失礼になってしまう気がして踏み込めない。
かっこいいアイヌ文様やアイヌ語などを切り取るように消費するのは
してはいけない。
teto2でアイヌ文化に関する作品の企画展をするのなら
一民族の文化の継承作品として紹介する展示ではなく
自分が抱えてきたアイヌへの複雑な思いも消化できるような
もう一歩踏み込んだ深みのあるものにできないかと考えていたのです。
(頭がね 硬いんですわたし。クソまじめっていうのかな😅)
山北ユカコさんの作品には
アイヌ刺繍の伝承という側面もありつつ
アイヌではないけれど
ユカコさんにしか刺せない物があると感じました。
4月に予定していた個展が延期になったとき
ユカコさんに加えて結城さんをお誘いしようと無意識に思ったのも
もしかしたら
アイヌでないけれどアイヌ文化を愛し
自分のものとしようとなさっている方のアイヌ作品と
現代のアイヌ文化を生み出し続けている
アイヌの方の作品を一緒に展示することで
これまでのわたしの思いに対する答えのようなものが
見つかるかもしれないと思ったのかもしれません。
そして そのタイミングで
アイヌである結城さんから『響き』という言葉を頂きました。
音が伝わっていくとき
そこには響きの伝わる媒体としての空気という存在があります。
宇宙空間で 無音なのは 空気がないからです。
アイヌ文化は過去のものではありません。
悲しい歴史に翻弄され
消えてしまったものや継承が途絶えかけている技術などもありますが
今現在もこの地で息づき進化・深化していっています。
それは
アイヌ文化を伝えてきたアイヌの人や 遺そうとしてきた和人
学んで自分のものとしようとする人たちがいたからだけでなく
味わい 感銘を受ける 魂を震わせる
響きの媒体となる空気のような私のような者の存在があるから
今も響き
今のアイヌ文化として深化し続けているのです。
歴史や過去はもちろん大事だけれど
そのまま感じたり味わったりするだけでいいんだ。。。。。
しっかり味わい自分の中で響かせることも
アイヌ文化を消費するのではなく 伝えていくことになるのだ。。。。。
結城さんの口から『響き』という言葉を聞いたとき
素直にふっと体の力が抜けるような感覚になったのを覚えています。
そう感じられるようになってから
腑に落ちてから
響きという言葉が
色々なキーワードとなり イメージがさらに広がっていきました。
アイヌ文化からの響き(影響)というだけでなく
ほんとうの意味での響き=音
としてトンコリの音を思い出し
二宮さんにライブ演奏の
お願いのお声がけをして
演奏会が実現しました。
25日には
アイヌの先人たちの想像力からの響きを受けて
結城さんの中で今現在紡がれるユカラも聞かせていただける事になりました。
本当に今から楽しみです。
文化は本来 時代とともに消えたり受け継がれたりしていくものです。
アイヌ文化はそこに加えて
複雑な過去がその継承に大きな爪痕を残した文化ではありますが
どんなに歴史に翻弄されようとも
人を惹きつけてやまない力があるものは
時代を超えて響き
細々とでも受け継がれ その時代ごとに生きる人々によって
深められ新しく生まれ変わっていくものです。
結城さんが創作ユカラをなさるのは
先人たちのような自然から受ける想像力そのものの復活こそが
ほんとうの意味での文化継承だと考えるからだとおっしゃっていました。
アイヌからの響きを受けて
今を生きる私達を惹き付け 心に響くもの
そんな今のアイヌ作品や音をご紹介していきたい
この企画
こんな紆余曲折な思いが わたしを突き動かして
なんとか形になり始まりました。
わたしにとってはとても大事な企画展になったことで
これから何度も開催していくことになると思います。
teto2的には はじめの1歩となる記念すべき1回目ということです。
お越しくださった方それぞれに どんなアイヌの響きが伝わるのだろう。。。
残り6日間どうぞお見逃しなく。
続く~♬